2010年05月02日

ポイント社会

今朝、会社に着く前に2件よいことができた。

電車の中でお年寄り(しかも80代の!)に席を譲ることができ、
改札を出た直後に、定期券を忘れた女子高校生に電車賃を貸してあげられた。

もちろん、日頃の心掛けがモノを云ったのだと思う。
おばあさんのときなど、電車があの駅のホームに入る頃から、
僕以外にも3人は身構えていたのだから。

去年の「親切ルール」改定で、親切は身のまわり1.5m以内に
限るというあのルールを、僕は実にうまく利用している。

おばあさんに席を譲って立ち上がった僕を、周囲の人々が
羨ましそうに見ていたっけ。

しかも80代以上の人が付けている紫バッチが袖から見えた時は、
ご贔屓チームのホームランボールを外野席でキャッチできたときみたいだった。

あれが50ポイント、女子高校生が5ポイントで今日は既に
55ポイント稼いでしまった。

街角から交通機関、職場からお店にも、住んでるアパートにだって、
どこにもかしこにも、トイレの中以外(もしかして…?)、

監視カメラだらけの今の社会に苦情がでないのは、
この親切ポイント制度があればこそなんだろう。

犯罪防止の監視カメラを、市民の親切行為のカウント用に転用した
N大臣のアイデアは、日本人の心にクリーンヒットした。

どの世界の人間も、咎められるより褒められることを好むのが、
大勢だったようだ。

月末の自分の親切口座に「親切ポイント」が何点振り込まれるか、
それがみんなの、もちろん僕の楽しみだし生き甲斐だ。

どんな些細な親切も、本人さえ気づかないうちにカウントしてくれる、この「親切ポイント」のおかげで、

世の中きれいになったし(ゴミなんて道のどこにもありゃしない)、めいわく行為なんてほとんどなくなった。
お年寄りや妊婦さんや小さい子供は、本当に安心の社会だろう。

その後、さすがにそんなラッキーはなく、逆に営業に出かけた時、
地下街でちょっと道に迷った瞬間、買物中の奥さんに道を教えられ(マイナス3ポイント)てしまったのが悔やまれる。

それでも、親切行為には気持ちよく応対しなければいけないのは
よく知ってるから、笑顔でお礼を言ったのは云うまでもない。

アパートに帰って、今日のポイント告知メールをチェックすると、
ついに5000ポイントを超えていた。

もう、相当な交換可能ポイントだが、僕の目標の1万ポイントまでは道半ばだ。
1万ポイントの殺人無罪カードをもらえれば、世間の僕を見る目が変わる。

社内だって、お取引先だって無罪カードの威力はよくわかっている。
今夜も、無罪カードを手にしたときのことを考えながら、いい夢を見よう。
posted by Bee at 23:56| 小説