2014年01月20日

Ful Auto Car

やっと手に入れたぞ
オンダ・ポジティブの新車を目の前にして

僕は会心の笑みを浮かべ
その表情と新車をガレージ設置の監視カメラに記録してもらった

後でルーム備え付けのPCから
僕の映像をもらえるのだ

僕の住んでいるマンションには
そういった最新のサービスも付いているので便利だ

*

僕は44才独身のエンジニアだ
首都圏ならともかく、こんな地方都市ではセミオート車や全自動車は

生活になくてはならないツールだ
特に、全自動車は僕らのような繁忙人に必須のツールと言える

今まで保有していたセミオート車(オートストップ&高速道路自動走行車)も
運転する楽しみはあったが

先月立ち寄ったオートサロンで見せてもらった全自動車は、まさにクールだった
認証キーを身に着けていさえすれば

傍に立つだけでドアを開けてくれ
乗り込めば安全シートが作動し、行き先を声に出せば動き出す

もちろん、自分で運転したければそう言うだけで
コントロール権をもらうこともできる

さらに、運転者の健康状態や、当日の気象条件・交通状態も把握して
最も快適かつスムーズに目的地に移動してくれるんだ

そのほか様々なオプションが付いている
これで朝、少し眠くても会議に間に合うよう会社に行けるし

休みの日は行ったことのない場所にドライブして
帰りに地ワインでも一杯飲って家に帰れるってもんだ

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その全自動車は本当によくできていて
僕が少し風邪気味のときには、薬局に寄ってくれたり

肉ばかり食べている僕のために
スーパーに立ち寄ったときには野菜を購入するようアドバイスしてくれる

こうして、僕の生活に全自動車はなくてはならないものになり
僕は愛車に「サリー」という名前まで付けた

(もっとも、愛車に名前はオートサロンで付けた方がよいと言われたからでもあるが)

しかし、このところ少しアドバイスが過ぎるのでは
と思うことがしばしばなのだ

先日も会社に行く前にホスピタルに寄って
僕に、ずっとすっぽかしていた健康診断を受けるよう勧めたり

(このときは会議に間に合わないから、と言う僕の頼みを聞いてくれたけど)

会社の駐車場の空きがないとき使う「自動お帰り機能」と連動の
「お迎え機能」の時刻設定が遅過ぎると、僕の体調記録に基づいて

もう少し早くお迎えに行ってはいけませんか
などと言ったりする

会社で同僚に話すと『それじゃあ君も奥さんを
もらったようなもんだね』と言われる始末だ

そのほかの機能も
最新型のスマート全自動車に比べると少し見劣りしてきたので

新車の情報をPCでチェックしてみたら
ホームPCと充電のときリンクしたみたいで

すねてしまったのか、今朝はONになってくれない
とうとう会議は欠席メールを送ったところだが

さあ、どうしよう
新しい高級バッテリーに替えてあげるか

プラチナコート洗車を奢って機嫌を直してもらうのか…

posted by Bee at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説