2014年08月12日

独裁者  記録−1

そのお方がおいでになってから
もう3年にもなるのですね

例年通りの異常気象に
世界のマスコミ、ネット情報サイトは

いつものように暗い未来を描き、批評し
嘆いていましたよね

その有象無象のニュースの中に
光る小型星雲との突然の邂逅の発見の談話があったのです

その時の私は未だ知らなかったのですが
フランスの天文学者の談話で

これまでの天文学の常識では考えられないくらい小さな
(…と言っても、太陽系の倍くらいはあったようですが)

その小型星雲が近いうちに太陽系の間近を
通過するという発表だったようです

その通過の予定日に
あのお方は世界に出現されました

今でも覚えているあの日のテレビニュース
ワシントンからの特派員ニュースの最中

東京にも北京にもパリにもモスクワにもロンドンにも
ほぼ同時に現れた身長3.5mの巨人

金色に輝く知性に満ちたやさしいお姿
心が溶かされそうな柔和なお顔で

『お前たち、この星の人類は全て
わたしの支配に従ってもらいます…』

と各国語(の思念…?)で宣言されました
それがテレビの音声なのか、頭の中に直接だったのか

今ではわかっていますが
その当時はよくわからず、なにSFドラマ?

とぼんやり考えていました
妻も息子も娘も同じようにきょとんとしていたのが

今でも一番印象に残っています
それは、テレビ局の人や解説者も同じで

「はあっ??」という感じでした
一瞬の間の後、なんとか言葉を付け足すのがやっとで

その後のニュースが各国首脳(もちろん日本も)の
お国ぶりを表しながらのコメントの羅列

そして、あの各国(一応日本も)の警備陣が
巨人に殺到し、いとも簡単にあしらわれた映像

ひと騒動の後、あのお方がおっしゃられた
『わたしは唯一のものであり、同時にどこにでも
存在するものである。お前たちの力は全くわたしに届かないが
わたしの力は、いつどこででもお前たちの誰にでも届く』と

その後、この世界の独裁者(全てを一人で裁く者)になることを宣言され
数々の改革を行われた7日間

各国の(日本も)政治家たちの反撃とマスコミのプロパガンダ
一般大衆の混乱とネット内の大混乱

そんなことにはお構いなしに、矢継ぎ早のあのお方の宣告が
テレビを通して次のように発せられ(番組も局の操作も関係なく)

私は会社に行ってもなんだか落ち着かず
妻も子供たちもテレビの有識者も政治家も学校も、ざわつくばかり

『お前たちの記録をつぶさに検証した結果
お前たちの現在の所業は次のシステムの欠陥から
生じていることが判明したので
わたしはそれを正すことにした』という宣告の後

『今より金というシステムを改革する
金を集めたいという志向を禁ずる
第一に、金が集まり過ぎている個人、組織を改革する
利益という人の努力の結果については、その人と家族が
1年間に消費できる金額の倍までの所持を許し
それを越えるものは他者に与えるものとする
何人もわたしの決定に逆らうことは許されない』

この最初の宣告の後の騒ぎについては
皆各自の範囲でご存じかとは思いますが

たまたま私が関わったあの時遭遇した事象の記憶を今
記録として残させて頂きます
posted by Bee at 11:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説